点と線 [DVD]
松本清張の小説の映画化といえば松竹での野村芳太郎監督作品が有名だが、これはめずらしく東映が映画化したケース。冬の博多郊外で発見された、男女の心中死体。だが男女は揃って到着したのではないようだ。警視庁捜査二課の三原刑事は、心中の影に汚職事件があると感じて福岡署の老刑事・鳥飼と共に、事件の迷宮に挑む。
その声色もシャープな、新人(当時)南廣と、名優加藤嘉のふたりを中心に、黒澤明監督作品で知られる志村喬、そして高峰三枝子といった、そうそうたる顔ぶれに目を奪われる。小林恒夫監督の演出は、ひとつひとつ手がかりを得て犯人のアリバイとトリックを崩していく刑事たちの行動を緻密に描写する一方、叙情性のあるカットも挿入するなど、単なるサスペンス映画に終わらない、巧みな手腕を見せている。1958年製作・公開作品とあって鉄道シーンには、蒸気機関車が登場するあたりも見どころ。(斉藤守彦)
クリエーター:松本清張、井手雅人

